伊藤剛さん(id:goito-mineral)経由で:
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060822k0000e040061000c.html

記事の内容にちょっとよくわからないところがあった。用は冥王星を従来の惑星のカテゴリーとは別にほかの小惑星といっしょの「矮惑星」とやらに分類するというものみたいなのだが、この部分:

冥王星と周辺の矮惑星の名称は、当初「プルートン」とする案が提示されたが、「言語学的におかしい」「深成岩を示す地質学用語と混同される可能性がある」などの指摘が相次いだため、22日の討議で意見を集約することになった。


カギ括弧の中の二つの指摘がわからなかった。言語学的におかしいってどういうこと? というわけでちょっとだけ調べてみる。

プルートンってPlutonってことですよね。ということは「冥王星」と「冥王星族」の名称は区別されないということなのかしら…、と思っていたら、英語で冥王星Plutoというらしいから、もしかしてPlutoとPlutonをそれぞれ冥王星冥王星族に割り当てるということなのかしら。それなら言語学的におかしいということもわからなくはない。両者は同じだから。ちなみにフランス語では冥王星はPlutonだ。この単語を覚えていたので意味が分からなかった。だからフランス語では冥王星と地質学用語は同じ単語で示す。要は最初から混同されている。伊藤さんはメジャーな学問分野がマイナーなそれを蹂躙すると言っているけど、Plutonという言葉だって別にもともと天文学の用語じゃないし、ギリシア(というかこの場合ローマか)神話というのはだいたい新しい学問の用語として使われるからまあそういうことなんだろう。しかし何で新しい用語を作ることなく、神話から引っ張ってきたりするのだろうか。日本語になると全部個別に翻訳されるからバラバラの用語になるけど。ただ単に神話が好きということなのかしら。まあ天文学の場合はむかしから惑星には神話の神が充てられていて、冥王星とか海王星とかはたぶんあとからつけられたのだろうけど。しかし冥王星とか海王星って翻訳はすごいな。ハデスだから冥王、ポセイドンだから海王か。

しかしもし事態が本当にPlutoとPlutonを冥王星冥王星族に割り当てるということだったら、ちょっとすごいな。その英語中心主義が。するとフランス語だと冥王星がPlutonだから冥王星族はPlutoになるのだろうか。かなり混乱する。あと、議論しているのは学者さんたちですよね、その人たちはPlutoもPlutonも同じローマ神話の神を指しているということを知らないんでしょうか。知らないわけないと思うんだけど、でもちょっと疑ってしまう。そんなことよりも、やっぱり冥王星を含む星の集まりなんだから、冥王星族なんていわないで冥界とかいってほしい。フランス語ではEnfers、英語ではなんていうんだろう。普通にハデスなのかな。なんかかっこいいと思う。