シンクロニシティと少年マンガ的主人公

モンキーターン』と『ヒカルの碁』を読んだ。ものすごく驚いた。話が全く同じだ。比較的マイナーな競技で・その競技について全く知識のない若者がその世界に飛び込み・目の上のたんこぶ的なライヴァルといっしょに・切磋琢磨していく。こんな話だ。まあ違うのは『モンキーターン』には恋愛がちょこっとあるということぐらいか。こういうパターンは少年誌などでは一般的なのだろうか。あるいはシンクロニシティか。連載時期調べてないけど。いずれにせよこのパターンで無限に話が作れるのではないだろうか。ペタンクの話とか。別に競技でなくてもいいのかな。茶道とか。まあ料理でもいいな。戦えば。


これらを読みながら少年誌の主人公って二つのタイプがあるなと思った。ひとつは上の二つのようなマンガにおける主人公で、要は最初は何にも知らないけどものすごい能力があって、いろいろ挫折を味わいながらそれが開花していくって感じのもの。だいたい少年に多い。性格的には少々とんがっている感じ。そしてもうひとつはなんか過去にいろいろあった感じの影のある主人公で、もう既にものすごい才能を持っているのだが、あんまりそれをひけらかすことなく、場合によってはその才能を隠そうとする。というより自分の過去をあまり話したがらない。だいたいいい年したおっさん、とまではいかなくても青年に多い。性格的には比較的穏やかかな。『るろうに剣心』『BLACK CAT』とか今でいうと『みえるひと』(一巻しか読んでないが)なんかそんな感じか。少年マンガじゃないけど『華麗なる食卓』もそうだな。ちなみにこのマンガは自分の食生活の上でとてもお世話になった。カレーが(作ろうと思えば&あんまり味を気にしなければ)あんなに簡単に作れることを知らなかった。…ま、それはともかく、だいたいこのパターンには近くに大人の主人公に引かれるこどものヒロインがいることが多いと思う。前者のタイプでは物語が進むにつれて主人公自身が成長してゆくが、後者ではまわりの人たちが時には改心したりして成長してゆく。それを見て主人公がフィードバック的に「いろんなことを学んだ」的な大人な意見。競艇マンガとか囲碁のマンガとかで後者のタイプの主人公だと話にならないのでだいたい前者のタイプの主人公が登場するのだろう。なんか元も子もない話でちょっと書くのいやになってきた。少年マンガはもっと夢があっていい。というか夢自体が形式化してしまったのか。まあよい。